AGITATION#6「ヨコハマ騒音紀行に向けて」
おす、オラ平野from[...]dotsmark。
群馬で細々とノイズ、アヴァンギャルド、ノイズグラインド周辺を対象にしたレーベル[...]dotsmarkを運営してます。
今回は協賛レーベルとして企画に参加させて頂けるという事で、コラムを書く様依頼されたので、知識に乏しいながらも思いつくまま書きます。
今回のBLUE tal YOKOHAMA企画「BAYSIDExGENOCIDE 2008」ではエロス+虐殺やdirect lightning stroke等ノイズ周辺のシーンで活動するアーティストが出演する事もあり、「即興性、非楽器性、非メロディ性の高い音楽」の代表的なものとして一般的に「ノイズ系」と呼ばれている類のシーンの現状について、私の知っている限りの事を書いてみようと思う。
さて。
このサイトを見る人達の内のどれだけの人数が「ノイズ系」と括られているジャンルをご存知なのだろうか。また「ノイズ系」というものにどのような印象を抱いておいでだろうか。
「ノイズ系」という音はとかく「デタラメにやっている」「誰にでも出来る」「音楽ではなく音を用いたパフォーマンスあるいは嫌がらせ」と思われがちで、事実そういうスタンスでやっているアーティストもいる事にはいるが、それが本質ではない。
「ノイズ系」も他ジャンルの音楽と同じ地平に立つ、鑑賞して愉しむ為の音楽と言って良い。その事は著名なユニットを多く聴いてゆけば分かってくると思う。
日本国内では80年代からMERZBOW,非常階段等、自らを「ノイズ」と名乗り出した先達によってシーンが形成され、それは世界的にも"JAPANOISE"という呼称で認知されて来た様だ。
現在では"JAPANOISE"という言葉自体が、ノイズの中でも或る種の音の傾向を差すジャンル名という側面を持っている。
私がちょうど活動を始めた頃の90年代末期〜2000年代中頃までは"電子雑音"という高水準なノイズ系音楽専門ファンジンが存在し、自主イベントを頻繁に行うなど積極的にシーンを牽引していたが、編集長である田野幸治(MSBR)さんの死を経て現在は事実上解体した模様。思えばあの頃はマシな時代だった...。田野さんR.I.P.。
現在は各レーベルやアーティストが各々で活動しているという状況で、それは自然な事なのだが、それらのバラバラに発信される情報を総括/批評する場所が見当たらない。
過去も現在も、新たなアーティストは次から次へと現れ、あるいは消えて行っている。しかし、ノイズ系のアーティストはライヴや宣伝を積極的に行わない人も(まあ私も含めて)少なく無い上に、前述の通りこの世界の情報をまとめて受け取る為の手段が少ない為に、新たな動きを捉える事は容易ではない。
若手の存在を知る、あるいは知らせる機会が少ない事に対する懸念を抱いていた事も多少のきっかけになって、私のレーベルでは2007年に国内で活動する若手ノイズ系アーティストをいくつかまとめてV.A."HEAR JAPANESE SEE JAPANESE SAY JAPANESE"CDをリリースした。2007年当時に私が注目していた活動歴の浅い(あるいは未だ確固たる知名度を獲得していない)アーティストのうち、いわゆるノイズらしいノイズの傾向にある人達を中心にまとめたものだった。これにはエロス+虐殺、direct lightning strokeにも参加して頂いている。

また、[...]dotsmarkのdistributionコーナーでは、弱小ながらも国内の若手アーティストの作品を積極的に取り扱う事にしている。
個人的に注目している国内の近年のノイズ系アーティストをいくつか列挙してみる。
"KAZUMA KUBOTA"
自主企画、来日アーティストのサポート、音源リリースなど積極的に活動している。埼玉県川越在住のCut-Up HarshNoise Artist。高い演奏力と音に対するこだわりは世界レベルで注目を集めつつある模様。
"Agnus Dei"
大阪の荘厳Experimental-Noise unit。宗教色を帯びたサウンドトラックに慈しみとも憂いともとれるアブストラクトなノイズが絡む。
"GUILTY CONNECTOR"
大阪在住、最早若手とは呼べない程の実力と存在感を持つ国内20代ノイズ代表Unit。映画"おそいひと"の大阪上映会においてMortalized松原氏との合体ユニットでオープニングを飾ったり、国内外レーベルからのリリース、アーティストとのコラボも多数行っており、海外ツアーも数回敢行している。
"Molester"
東京に潜伏するharsh-power-electronics。ノイズの伝統的価値観たる悪徳/ネガティビティーを前面に打ち出した変態極悪腐食ノイズ。
"受容"
茨城のNoise-Action-Unit?とにかく全力で咆哮しまくり。対照的に挿入される独特の言語感覚による語り、シンプルな楽器類による簡素なノイズによるパフォーマンスはLo-Fiな雰囲気を抱きながらも強烈に個性的。最アンダーグラウンド!
この他にも"destructionisties"、"VENT"、"マスクド・ダイオウド"、”LINEKRAFT”、"MONTAGE"、"NOISEUSE"、”パイパン・エンジェル”、等の名は覚えておいて良いと思う。もちろん"direct lightning stroke"、"エロス+虐殺"も。
ノイズ系のディープ/ベーシックな代物はmolehill,NEdS等の専門店で購入でき、ノイズに音触りが近いアンビエントや現代音楽/実験音楽、インプロヴィゼーション関係の専門店もネットでちょっと探せば見つかる。これらのショップからライヴ情報が発信される事も度々ある。
是非様々なショップ、ディストロを覗き、ライヴイベントに通ってシーンを探ってみて欲しい。そして「小難しい特殊な音楽だ」と構えたりせず、あなたが普段聴いているジャンルの新譜を聴く様に、好奇心と共に気軽に楽しんで聴いてみて欲しい。
「ノイズは難しい音楽では無い」というのがリスナーとしての私の正直な意見だ。
BLUE tal YOKOHAMAは様々なジャンルのバンド/ユニットを一堂に集めて扱う事で、「全ての出演者がアウェー」という環境を作り出すと伺っている。
その様に普段触れ合う機会の無い多くのジャンルの表現を混在させる場を提供する事によって、細分化され棲み分けが進み過ぎてしまったリスナーとアーティストを今一度引っ掻き回し、クロスオーヴァーさせる役割に一役買ってくれる事に期待し、協賛レーベルとして参加出来る事に感謝します。
当日は国内外のレーベルからトレードで手に入れた音源を多数持って行くつもりなので是非物販に見に来て下さい。
(Text by 平野/[...]dotsmark)
群馬で細々とノイズ、アヴァンギャルド、ノイズグラインド周辺を対象にしたレーベル[...]dotsmarkを運営してます。
今回は協賛レーベルとして企画に参加させて頂けるという事で、コラムを書く様依頼されたので、知識に乏しいながらも思いつくまま書きます。
今回のBLUE tal YOKOHAMA企画「BAYSIDExGENOCIDE 2008」ではエロス+虐殺やdirect lightning stroke等ノイズ周辺のシーンで活動するアーティストが出演する事もあり、「即興性、非楽器性、非メロディ性の高い音楽」の代表的なものとして一般的に「ノイズ系」と呼ばれている類のシーンの現状について、私の知っている限りの事を書いてみようと思う。
さて。
このサイトを見る人達の内のどれだけの人数が「ノイズ系」と括られているジャンルをご存知なのだろうか。また「ノイズ系」というものにどのような印象を抱いておいでだろうか。
「ノイズ系」という音はとかく「デタラメにやっている」「誰にでも出来る」「音楽ではなく音を用いたパフォーマンスあるいは嫌がらせ」と思われがちで、事実そういうスタンスでやっているアーティストもいる事にはいるが、それが本質ではない。
「ノイズ系」も他ジャンルの音楽と同じ地平に立つ、鑑賞して愉しむ為の音楽と言って良い。その事は著名なユニットを多く聴いてゆけば分かってくると思う。
日本国内では80年代からMERZBOW,非常階段等、自らを「ノイズ」と名乗り出した先達によってシーンが形成され、それは世界的にも"JAPANOISE"という呼称で認知されて来た様だ。
現在では"JAPANOISE"という言葉自体が、ノイズの中でも或る種の音の傾向を差すジャンル名という側面を持っている。
私がちょうど活動を始めた頃の90年代末期〜2000年代中頃までは"電子雑音"という高水準なノイズ系音楽専門ファンジンが存在し、自主イベントを頻繁に行うなど積極的にシーンを牽引していたが、編集長である田野幸治(MSBR)さんの死を経て現在は事実上解体した模様。思えばあの頃はマシな時代だった...。田野さんR.I.P.。
現在は各レーベルやアーティストが各々で活動しているという状況で、それは自然な事なのだが、それらのバラバラに発信される情報を総括/批評する場所が見当たらない。
過去も現在も、新たなアーティストは次から次へと現れ、あるいは消えて行っている。しかし、ノイズ系のアーティストはライヴや宣伝を積極的に行わない人も(まあ私も含めて)少なく無い上に、前述の通りこの世界の情報をまとめて受け取る為の手段が少ない為に、新たな動きを捉える事は容易ではない。
若手の存在を知る、あるいは知らせる機会が少ない事に対する懸念を抱いていた事も多少のきっかけになって、私のレーベルでは2007年に国内で活動する若手ノイズ系アーティストをいくつかまとめてV.A."HEAR JAPANESE SEE JAPANESE SAY JAPANESE"CDをリリースした。2007年当時に私が注目していた活動歴の浅い(あるいは未だ確固たる知名度を獲得していない)アーティストのうち、いわゆるノイズらしいノイズの傾向にある人達を中心にまとめたものだった。これにはエロス+虐殺、direct lightning strokeにも参加して頂いている。

また、[...]dotsmarkのdistributionコーナーでは、弱小ながらも国内の若手アーティストの作品を積極的に取り扱う事にしている。
個人的に注目している国内の近年のノイズ系アーティストをいくつか列挙してみる。
"KAZUMA KUBOTA"
自主企画、来日アーティストのサポート、音源リリースなど積極的に活動している。埼玉県川越在住のCut-Up HarshNoise Artist。高い演奏力と音に対するこだわりは世界レベルで注目を集めつつある模様。
"Agnus Dei"
大阪の荘厳Experimental-Noise unit。宗教色を帯びたサウンドトラックに慈しみとも憂いともとれるアブストラクトなノイズが絡む。
"GUILTY CONNECTOR"
大阪在住、最早若手とは呼べない程の実力と存在感を持つ国内20代ノイズ代表Unit。映画"おそいひと"の大阪上映会においてMortalized松原氏との合体ユニットでオープニングを飾ったり、国内外レーベルからのリリース、アーティストとのコラボも多数行っており、海外ツアーも数回敢行している。
"Molester"
東京に潜伏するharsh-power-electronics。ノイズの伝統的価値観たる悪徳/ネガティビティーを前面に打ち出した変態極悪腐食ノイズ。
"受容"
茨城のNoise-Action-Unit?とにかく全力で咆哮しまくり。対照的に挿入される独特の言語感覚による語り、シンプルな楽器類による簡素なノイズによるパフォーマンスはLo-Fiな雰囲気を抱きながらも強烈に個性的。最アンダーグラウンド!
この他にも"destructionisties"、"VENT"、"マスクド・ダイオウド"、”LINEKRAFT”、"MONTAGE"、"NOISEUSE"、”パイパン・エンジェル”、等の名は覚えておいて良いと思う。もちろん"direct lightning stroke"、"エロス+虐殺"も。
ノイズ系のディープ/ベーシックな代物はmolehill,NEdS等の専門店で購入でき、ノイズに音触りが近いアンビエントや現代音楽/実験音楽、インプロヴィゼーション関係の専門店もネットでちょっと探せば見つかる。これらのショップからライヴ情報が発信される事も度々ある。
是非様々なショップ、ディストロを覗き、ライヴイベントに通ってシーンを探ってみて欲しい。そして「小難しい特殊な音楽だ」と構えたりせず、あなたが普段聴いているジャンルの新譜を聴く様に、好奇心と共に気軽に楽しんで聴いてみて欲しい。
「ノイズは難しい音楽では無い」というのがリスナーとしての私の正直な意見だ。
BLUE tal YOKOHAMAは様々なジャンルのバンド/ユニットを一堂に集めて扱う事で、「全ての出演者がアウェー」という環境を作り出すと伺っている。
その様に普段触れ合う機会の無い多くのジャンルの表現を混在させる場を提供する事によって、細分化され棲み分けが進み過ぎてしまったリスナーとアーティストを今一度引っ掻き回し、クロスオーヴァーさせる役割に一役買ってくれる事に期待し、協賛レーベルとして参加出来る事に感謝します。
当日は国内外のレーベルからトレードで手に入れた音源を多数持って行くつもりなので是非物販に見に来て下さい。
(Text by 平野/[...]dotsmark)
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